プロテインの選び方に本気の最終結論を教えます
「ねえ、プロテインってどれがいいの?」
友人や職場の後輩から、この質問を受けない月はないと思います。私がサプリメントの勉強をしていると知ると、みんな必ずこれを聞いてくる。
正直に言います。
どれもほぼ同じです。
これを言うと毎回驚かれるんですが、これがガチの真実です。メーカーも、アフィリエイターも、YouTuberも、自分の商品やおすすめ商品を売りたいからいろんなことを言います。でも、基本的な部分において、プロテインパウダーに大きな差はありません。
この記事ではその理由を丁寧に説明していきます。最後まで読めば、もう迷わなくなると思います。
プロテインはタンパク質を摂取するためだけのもの
まずここを押さえておきましょう。
プロテインというのは日本語でタンパク質のことです。英語でタンパク質をProteinといいます。ここで言うプロテインはサプリメントとしてのプロテインパウダーの話ですが、名前の通り、タンパク質を摂取することだけを目的にしたサプリメントです。
なぜプロテインパウダーで摂取するのか。食事だけではダメなのか。そう思う方もいるでしょう。
答えはシンプルで、食事から同じ量のタンパク質を取ろうとすると、余計な脂質や炭水化物のカロリーまで一緒に摂ってしまうからです。鶏むね肉やゆで卵で頑張れば不可能ではないですが、毎食の準備が大変だし、コストもかかる。プロテインパウダーなら、余計なものを省いてタンパク質だけをスパッと補給できる。そのための道具がプロテインパウダーです。
つまり、プロテインパウダーを評価する上で一番重要な軸はタンパク質をどれだけ摂取できるか、それだけです。
では実際のところ、市販されているプロテインパウダーのタンパク質含有量はどれくらいでしょうか。商品のパッケージ裏側の栄養成分表示を見てください。ほとんどの商品で、1食あたりのタンパク質含有量は80〜90%の範囲に収まっています。メーカーが違っても、ブランドが違っても、ここの数字はほぼ揃っているんです。
ということは、どれを選んでもタンパク質を摂取するという目的において、8割から9割は変わらないということです。
この事実を知ってから選ぶのと、知らないで選ぶのとでは、迷い方が全然変わってくると思います。
「特別なプロテイン」を売りたい人たちの事情
プロテインパウダーがほぼ同じだという事実があるにもかかわらず、世の中には本当にたくさんのプロテイン商品があります。価格も機能もそれぞれ違うように見えます。なぜでしょうか。
答えは単純で、売りたい人が差別化したいからです。
同じものを売っていても、他の人と差別化できなければビジネスとして成り立ちません。「うちのプロテインには特別な成分が入っている」「製法が違う」「吸収が違う」と言いたい事情がある。これはプロテインに限った話ではなく、あらゆる商品で起きていることです。
これ自体を一概に悪とは言えません。資本主義の中でビジネスをする以上、差別化は必要です。ただ、私たちユーザーとしては、その「差別化ポイント」が本当に意味のある差なのかを冷静に見極める必要がある。
YouTuberやインフルエンサーが「このプロテインは別格」と言うとき、そのほとんどはアフィリエイト報酬やブランドとのタイアップがあります。情報を発信する動機に商業的な背景があることを理解した上で参考にしましょう。
誤解しないでほしいんですが、全ての情報が嘘というわけではありません。本当に良いと思って紹介しているケースもある。ただ、それが本当に「ほぼ同じ商品たちの中の優先度の高い差」なのかどうかは、自分の頭で判断する習慣をつけた方がいいということです。
「美味しいプロテイン」も基本的には同じ
差別化の方法として、味を強調する商品は多いです。「飲みやすい」「美味しい」「チョコレート味がリアル」といった謳い文句をよく見ます。
これについては少し補足が必要です。
昔のプロテインは正直言って飲みにくかった。独特の粉っぽさや溶けにくさがあって、毎日続けるのが苦痛という人も多かったと思います。でも今は違います。製法や原料の品質が向上して、普通に美味しく飲めるものが増えた。つまり、品質の底上げが起きたことで、味の差はますます小さくなっています。
また、甘い味のプロテインというのは結局のところ、香料とスクラロースやアセスルファムKなどの人工甘味料の組み合わせです。使える人工甘味料の種類はそこまで多くないので、メーカーが違っても似たような味になりやすい。
「このメーカーのチョコ味は絶品」と感じるとき、その美味しさの正体は甘味料と香料の配合です。プロテイン本体の品質とは別の話なんです。
これを知っておくと、味で迷う時間が減ります。好きな味のものを選べばいい。ただし、後述する添加物が気になる方にとっては、美味しいプロテインほど添加物が多いというトレードオフがあることは理解しておきましょう。
他の栄養素が配合されているプロテインについて
クレアチンやBCAAが配合されているプロテイン、ビタミン・ミネラルが一緒に入っているもの。「一本で全部補える!」という謳い文句のものも見かけます。
結論から言うと、これらも基本的には同じと考えて大丈夫です。
理由は単純です。同じような価格帯で、同じような容量で販売されているプロテインの中に、追加成分が有効量入っているとはほぼ考えられないからです。
例えばビタミンB群。プロテインに配合されているビタミンの量は「入っている」というレベルで、それだけで1日の摂取目安量を満たすようなものはほとんどありません。本当にビタミンを補給したいなら、ビタミンサプリを別で飲む方が確実です。
クレアチンも同様です。クレアチンには効果があるとされていますが、有効量は1日3〜5g程度。プロテインに少量配合されていても、クレアチン単体の効果を期待できるレベルに達していないことが多いです。
ありえないとは言い切れませんが、同じ価格で別の有効成分が十分量入っている商品というのは現実的には考えにくい。倍の値段なら話は変わりますが、同じ棚に同じような価格で並んでいるプロテインに、本当に意味のある追加成分が十分量入っている可能性は低いです。
「なんとなくビタミン入りの方が健康そう」という感覚は理解できますが、プロテインはタンパク質を摂るもの。他のサプリメントが必要なら、それは別で取りましょう。それがコスパ的にも合理的です。
注意:「プロテイン」を名乗る別の商品
ここは少し気をつけてほしいポイントです。
市場には、プロテインという名前がついているのに、プロテインパウダーではない商品があります。有名メーカーが出しているものの中にも、この手の商品があって、何度か「それプロテインじゃないですよ」と友人に伝えたことがあります。
どうやって見分けるか。簡単です。パッケージ裏の栄養成分表示を見て、タンパク質含有量を確認してください。60〜70%を下回っているものはプロテインパウダーとは呼べません。
これは悪意のある商品ということではなく、「プロテイン」という言葉のイメージを使って別の目的の商品を売っているという状態です。たとえばシェイプアップ目的のドリンク系や、食物繊維やコラーゲンが主成分のものがそれに当たります。それ自体が悪い商品とは言いませんが、タンパク質を摂りたいという目的には合っていないので注意が必要です。
最初に買うときは面倒でも成分表示を確認する習慣をつけておくと、こうした勘違いを避けられます。
添加物が気になる人へ
プロテインを長く続けている人の中には、添加物が気になってくる方もいます。毎日飲むものだから、余計なものは入れたくないという気持ちはよくわかります。
添加物の主な問題になるのは、甘味料として使われるスクラロースやアセスルファムKです。これらは厚生労働省が認可した食品添加物で、通常の摂取量では安全性が認められています。「添加物は絶対ダメ」と言いたいわけではないんですが、毎日大量に摂取し続けることへの長期的な影響については、まだ研究が進んでいる段階でもあります。
添加物を避けたい場合の選択肢は明確です。プレーン(無添加・無香料)のプロテインを選ぶだけです。味はほぼしないか、素材のほんのりした味だけになりますが、料理に混ぜたり牛乳で割ったりと使い方の幅が広がるメリットもあります。
甘いものが好きで、毎日飲む上でのモチベーションを維持したい→美味しいプロテイン。余計なものを入れたくない→プレーン。この選択は完全に個人の好みと価値観の問題なので、どちらが正解というわけではありません。
ただ、「添加物が入っているから効果がない」とか「プレーンの方が筋肉がつきやすい」とかいうことはないです。タンパク質の含有量が同じなら、目的の達成という意味では変わりません。
それでも「最善」を選びたい人向けの指針
「でも、せっかく買うなら一番良いものにしたい」
そういう気持ちもわかります。長くトレーニングをしている方や、より効率的に結果を出したい方は、細部にこだわりたくなるものです。
その場合に意味のある選択肢は以下のみ、と思っていただいて問題ありません。他はノイズです。
価格で選ぶ
プロテインの中身はほぼ変わらないので、逆に言えば値段の安いものを選ぶのが合理的です。近年は価格競争が激しくなって、コスパ重視のブランドが増えています。
1kgあたりのタンパク質のグラム数で割って、実質的なコストを比較してみるとわかりやすいです。有名ブランドの高いものと、コスパブランドの安いものとで比べると、中身の差はほぼないのに価格は2倍近く違うことも珍しくありません。
ホエイかソイか
タンパク質の種類として大きく分けると、ホエイプロテインとソイプロテインがあります(カゼインプロテインもありますが、国内ではあまり流通していないので今回は省きます)。
難しく考える必要はありません。
乳製品に問題がなければホエイ、乳製品が苦手またはヴィーガンの方はソイ、それだけです。
「ホエイの方が筋肉がつきやすい」「ソイはダイエットに向いている」という情報を目にすることもありますが、食事全体のタンパク質摂取量の方がずっと重要で、ホエイかソイかという選択は優先度が低いです。まず続けられるものを選ぶことの方が大切です。
ホエイの中の種類:WPC / WPI / WPH
これはホエイプロテインをさらに絞りたい方向けの話です。
製法の精製度によってWPC(濃縮乳清たんぱく)、WPI(分離乳清たんぱく)、WPH(加水分解乳清たんぱく)と分類されます。精製度が上がるほど価格も上がります。
ほとんどの方にはWPCで十分です。ただ一点、乳糖不耐症の方、つまり牛乳を飲むとお腹が緩くなる方はWPCよりもWPIやWPHを選ぶと改善することがあります。乳糖がより除去されているからです。
これを確認する方法も簡単で、プロテインを飲んだ後にお腹がゆるくなるかどうかです。問題なければWPCで、お腹に来るようであればWPIを試してみてください。
初めてプロテインを買う女性へ
ここまで読んで「わかった、どれでもいいんだね」と思っていただけたなら、目的は達成です。
ただ、初めての方向けに私なりの選び方をまとめておきます。
とにかく始めたい・迷いたくない
値段が安くて、タンパク質含有量が80%以上のもの。ホエイでもソイでも、お腹が痛くならない方でOKです。ブランドはどこでもいい。ドラッグストアで買えるザバスでいいし、ネットで安いGronGでもいい。まず飲み始めることが大事です。
プロテインを毎日の習慣にしたい
毎日続けられる味かどうかが重要です。試しやすい小容量の商品でいくつか試してみて、飽きない味を見つけてください。一番コスパが良いものより、続けられるものが結果的に一番良い選択です。
ダイエット目的
プロテインはカロリーがある食品です。ただし、同じカロリーで肉や魚を食べるよりも、消化のエネルギーが高くタンパク質の満足感も得られやすいというメリットがあります。食事の置き換えとして使うより、足りないタンパク質を補う用途で使うのが基本です。置き換えたいなら、プロテインではなく専用の食事代替品を選びましょう。
乳製品が苦手
迷わずソイかWPI以上のホエイを選んでください。ソイプロテインはダイジェストが良く、女性ホルモンに近いイソフラボンが含まれている点で女性には特に人気があります。
「毎月買い替えるのが面倒」問題
プロテインを継続して飲んでいると、毎月買い替えるのが地味に手間だという感想をよく聞きます。
これの解決策は大容量でまとめ買いです。3kgや5kgで買うとグラムあたりの単価が下がることが多いし、買い忘れも減ります。ただし、味変えしたいタイプの方は大容量で買いすぎると飽きることもある。
定期購入があるブランドの場合は、定期縛りの条件をちゃんと確認してから申し込むことをおすすめします。「解約が面倒だった」という話を聞くことが多いので。
プロテインを日常の消耗品として扱う感覚になってくると、こだわりが薄れてコスパ重視になっていく人が多いです。それが正解だと思います。
よくある「プロテインの誤解」について
最後に、よく耳にする誤解をいくつか整理しておきます。
「プロテインは筋トレしている人だけが飲むもの」
これは完全に誤解です。プロテインパウダーはタンパク質を手軽に補給するための食品です。運動していなくても、食事でタンパク質が不足している方には有用です。特に女性は食事量が少なくなりやすく、タンパク質が慢性的に不足しているケースも多いです。
「プロテインを飲むと太る」
プロテインパウダーは高タンパク・低脂質・低炭水化物が多いです。食事に加えて飲めば当然カロリーが増えますが、プロテインだけが太る原因にはなりません。カロリー収支の問題です。
「女性が飲むと男性みたいな体になる」
なりません。女性ホルモンの仕組み上、女性がプロテインを飲んだだけで筋肉がバキバキになることはないです。男性ボディビルダーのような体は、高強度トレーニングとかなりの努力の結果です。
「プロテインは腎臓に悪い」
健康な人が適切な量を飲む分には問題ないとされています。腎臓に疾患がある方は医師に確認してほしいですが、一般的な健康な女性が普通に飲む分には気にしなくていいです。
「国産の方が安心」
製造国と品質は必ずしも一致しません。海外製の方が大規模工場での製造で品質が安定しているケースも多いです。大事なのは製造国より、信頼できるブランドが第三者機関の検査を実施しているかどうかです。
まとめ
長くなりましたが、言いたいことはシンプルです。
プロテインパウダーはどれもほぼ同じ。タンパク質含有量が80〜90%の製品であれば、ブランドが違っても本質的な効果は変わりません。
もし迷っているなら、今日一番安く買えるものを選んでください。それで十分です。
このブログではいろんなプロテイン製品を紹介していますが、この大前提として「どれも大きくは変わらない」という事実は常に念頭に置いてほしいと思っています。細かい違いを楽しむのはそれからでいい。まず飲み始める、続ける、それが一番大事です。
トレーニングや食事全体の方向性が正しければ、プロテイン選びの差は誤差の範囲に収まります。本当に大事なことに時間とエネルギーを使っていきましょう。